ティーリングウイスキーは2012年にアイリッシュのボトラーズとして誕生したティーリング社かリリースされているウイスキーです。
1987年にジャック・ティーリングがカネマラ(現在の所有者はサントリー)の蒸留所であるクーリー蒸留所を設立しました。
目次
ティーリングウイスキーの種類
ティーリングウイスキーには主に5つのシリーズがリリースされています。
- ブレンデッドウイスキーのスモールバッチ
- シングルモルト
- ピーテッドシングルモルト
- シングルグレーン
- シングルポットスチル
スモールバッチ
スモールバッチはブレンデッドウイスキーとなっており、グレーンとラム樽の完成度が非常に高く、しっかりとしたラムカスクの味わいを感じることができます。
ドライフルーツやスパイシーで複雑な香りが特徴的で、味わいはグレーンの甘さの相性がよくデザートにも合うウイスキーです。
またラム樽にはラム酒で有名な中南米の樽を利用し、12ヶ月以上熟成させた原酒を利用しています。
ブレンデッドウイスキーとしてはやや高めかもしれませんが、ストレートでも十分楽しめるウイスキーなのでティーリングウイスキーで悩んだ時には最初の一本としては最適でしょう。
種類 | ブレンデッドウイスキー |
樽構成 | バーボン樽、ラム樽 |
色 | 薄い黄色 |
香り | ・ラムの甘くツンとした感じ ・柑橘系 ・レモン ・バニラ ・ドライフルーツ |
味わい | ・グレーンの甘さ ・オイリー ・濃厚でリッチなオレンジが長く続く ・ラムの心地よい香り |
フィニッシュ | ・グレーンの穀物感 ・モルトとグレーンの甘みが長く続く |
度数 | 46度 |
容量 | 700ml |
価格 | 3000円台 |
その他 | ノンチルフィルタード |
シングルモルト
シングルモルトは5つのワイン樽(シェリー、ポート、マデイラ、ブルゴーニュ、ソーヴィニヨン)を熟成とフィニッシュしたウイスキーです。
香り
鼻を近づけるとすぐに「あっ白ワインだ」と感じ、その後にモルトがあり、時間が経つとチョコレートなど複雑に変化するため、途中で同じウイスキーを飲んでるのか?と勘違いしてしまうほどです。
味わい
舌触りはなめらかで、シナモンやペッパーのようなスパイシー感を強く感じますが、徐々にイチジクやいちごのような果実感へと変化します。
フィニッシュ
もはや、ほぼいちごです。
白ワインからいちごの変化は衝撃的ですが、この複雑さがティーリングウイスキーのファンを増やしていたのかと納得した一本でした。
ピーテッドシングルモルト(ブラックピッツ)
アイリッシュウイスキーは基本的にはピートを焚かない、ノンピートウイスキーが特徴ですが、ティーリング ピーテッドシングルモルトはアイリッシュウイスキーの伝統的な製法である3回蒸留とピーテッドモルトを組み合わせることで、スコッチとは異なるピーテッドウイスキーの味わいがあります。
これはピーテッドのアイリッシュウイスキーの代表であるカネマラからヒントを得たのは間違いないでしょう。
- ピーテッドウイスキー
- バーボン樽、ソーテルヌワイン樽で熟成した原酒をブレンド
- ノンチルフィルタード
ブラックピッツの由来
アイルランドの首都であるダブリンの近くにティーリングウイスキーの蒸留所はあります。
その近くにブラックピッツという地域があり、そこではアイルランド最大のモルトスター(製麦所)がありました。
製麦の過程で大麦を乾燥させるためにピート(泥炭)を利用したことで、独特なスモーキーな味わいを生み出しています。
ピーテッドウイスキーで有名なスコッチのアイラのような、ヨード香のあるピートではなく炭やBBQのような煙たさが特徴です。
シングルグレーン
ティーリング シングルグレーンは、95%のトウモロコシと5%の麦芽から作られており、その後3回蒸留した後にソーヴィニヨン赤ワイン樽のみで熟成されています。
バーボンで有名なアメリカンウイスキーでもコーンウイスキーの定義があり80%以上のコーン利用とされ、コーンウイスキーには熟成の義務はありません。
ティーリングのシングルグレーンはそれよりも高いほぼ100%に近い原料をコーンとして、熟成もワイン樽を利用しており、アイリッシュウイスキーの常識を覆すようなボトルでしょう。
香り
グレーン特有のスパイシー感が強く、時間が経つとフルーティ、黒糖のような甘さを感じます。
味わい
なめらかでライトな味わい、グレーン特有のリッチな甘さ、赤ワインのベリーやタンニンを感じます。
フィニッシュ
スパイシー
シングルポットスチル
ポットスチルとは伝統的なアイリッシュウイスキーの製法を取り入れて作られたウイスキーのことです。
アイリッシュウイスキーには発芽させたモルト、未発芽のモルトに加えて小麦やライ麦が原料として利用され、3回蒸留されます。(シングルモルトは2回蒸留がほとんど)
モルト100%ではないため糖化に時間がかかり、オイリーで独特なフレーバーがあります。
ティーリングのシングルポットスチルでは発芽させたモルトを50%、未発芽のモルトを50%ずつ配合しており、3回蒸留の後にバージンオーク、シェリー樽を組み合わせて熟成させています。
香り
レモンやオレンジの皮のような柑橘系、ぶどうのような甘い香り
味わい
甘くややオイリー、マスカットや白ぶどうのようなスッキリした甘さ、ピーチ、ビスケットのような麦感、があり複雑
フィニッシュ
甘さが長く続き、ややスパイシー
まとめ
ティーリングウイスキーは、ジェムソン、ブッシュミルズとはまったく異なる味わいながらも、ポットスチルもリリースするなど伝統的なアイリッシュウイスキーを尊重している姿勢がありながらも、決して時代の型にはまらな良いウイスキーを造るという精神を感じることができます。
アイリッシュらしさとティーリングの完成度の高さを感じるスモールバッチから是非試してみてください。