ウイスキーはどのような工程で作られ、なぜ似たような名前なのに違いがあるのか?価格が違うのか?詳しく解説します。
目次
蒸留酒と醸造酒
お酒の種類を知っていると理解が深まるのでこちらをご覧ください!
お酒には大きく分けて、醸造酒、混成酒、そしてウイスキーが該当する蒸留酒の3種類があります。
醸造酒
ビール、ワイン、日本酒は醸造酒に該当し原料を酵母など自然の菌で発酵させて作ります。
特徴としては、アルコールが低くカロリーが高めなことでしょう。
蒸留酒
ウイスキー、焼酎、ジンは蒸留酒に該当しその名の通り蒸留して作られるお酒になります。
蒸留と聞くと難しく感じるかもしれませんが、実は殆どの工程が醸造酒と同じで、醸造酒にヤカンのような装置で熱を加えて蒸発しやすいアルコールと、その他に分類します。これが蒸留になります。
抽出される透明な液体(ニューポット、ニューメイク)はアルコールの純度が高くなるため、アルコール度数は65%〜90%にまで上昇します。
ウイスキーの原点はこのニューポットとされており、アルコール度数が高く非常に癖のつよいお酒ですがハチミツなどを加えて飲まれていたようです。
現在はニューポットで販売される事は稀で、蒸留所に直接行くことで手に入ることもあります。
このニューポットを木製の樽に保存し、数年間熟成させる事で琥珀色のウイスキーができあがります。
ウイスキーの条件はなに?
ウイスキーには定義があり、この3つの条件に当てはまればウイスキーとして分類する事ができます。
国によってウイスキーを定義する法律も異なり、原料や熟成年数が変わることもあります。
- 大麦、トウモロコシ、ライ麦、などの穀物が原料であること
- 蒸留すること
- 木製の樽で熟成させること(国によって熟成年数の制限あり)
スコッチの条件(スコットランドのウイスキー)
シングルモルト=スコッチと勘違いされている方も多いのですが、シングルモルトはウイスキーの分類の1つで、原産国は関係ありません。
スコッチを名乗るには主にこれらの条件をクリアする必要があります。
- 大麦、穀物、酵母のみを原料とすること
- スコットランド内で蒸留すること
- スコットランド内で3年以上熟成させること
- 熟成にはオーク樽を使うこと
バーボンの条件(アメリカのウイスキー)
バーボンはアメリカで作られるウイスキーで、アメリカンウイスキーとも言われます。
スコッチと同様にバーボンにも基準があります。
- アメリカ内で蒸留すること
- アルコール度数80度未満で蒸留すること
- 原料に51%以上トウモロコシを使うこと
- 熟成にはホワイトオークの新樽を使うこと
これに2年以上熟成させたバーボンをストレートバーボンと表記することができるようになります。
ウイスキーの数字はなに?
ウイスキーのボトルに数字があるのをご存知だと思います。
ウイスキーには国によって規制があり年数表記する場合は最低熟成年数のウイスキーを表示する習慣があります。
熟成年数が長くなると、製造サイクルが遅くなるためコストも高くなり、販売価格も高くなります。
そのため基本的に熟成年数が高くなれば高価なウイスキーである事が多いと言えるでしょう。
数字のないウイスキーは美味しくないの?
数字のないウイスキーもたくさんあります。
熟成年数の表記は最低熟成年数を表記するという決まりがあり、ウイスキーは木製の樽で熟成させるため樽によって個性が様々です。
そのため味を安定化させるために同じウイスキーなものの、異なる樽のウイスキー、異なる熟成年数のウイスキーを混ぜることで味を安定化させます。
その過程で低い熟成年数のウイスキーが混ざることもあり「○○ウイスキー3年」と販売するよりも無表記(ノンエイジ)にするほうが消費者にネガティブな印象を与えない戦略の1つとなります。
味を安定化させる事が目的なため、ノンエイジウイスキーが美味しくない事はありません。